03-3648-3622
東京都江東区東砂2丁目11-27[地図]
2024.07.21
カテゴリー:医療
皆さん、お尻から血が出たことはありますか?
トイレでお尻から血が出ているのを見たりするとびっくりしますよね。
しかし、中には「どうせ痔だろう」と思って放置される方も少なくはないようです。確かにお尻からの出血については何らかの「痔」が原因であることは多く、また本当に「痔」であれば急を要することは多くはありません。しかし、実際には大腸がんや大きなポリープ、潰瘍性大腸炎があったり、本当に痔だとしても早めに治療が必要な痔があったりすることがあります。
こういった病気の発見が遅れてしまうと、治療が遅れることで長期に入院が必要になってしまったり、最悪の場合には治療が遅れることで生命にかかわる事態になってしまうこともあります。
お尻からの出血については血の色や出方によって疑う病気や対処は変わるので、ここからはお尻から出血があったときに疑われる病気や対処法を少しご紹介します。
ただし、これらはあくまでもこういった病気の可能性がある、というだけで絶対ではありません。あくまでも参考程度と思って下さい。不安な場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。特に出血の量が多い、長く続くなどの場合は医師に相談して肛門や大腸の診察をしてもらったほうが良いでしょう。
こういった出血のときに多いのは痔核、裂肛など肛門からの出血です。通常は痔核の方が出血量が多く、痛みは伴わないことが多いです。(痛みを伴うこともあります)
排便後にぽたぽたと出てくることが多いですが、ひどい場合にはピューっと噴出するように出血することもあります。
一方、裂肛の出血は紙につく程度で排便時に痛みやかゆみを伴うことが多いです。いずれも緊急を要する疾患ではありませんが、痔核などで大量の出血がある場合には貧血の原因となることもあります。
また、下に出てくる下血との大きな違いは普段は特に出血するなどはなく、排便時にのみ出てくること、便自体の色は普通なこと、またお腹がゴロゴロしたり痛みがあったりはしないことです。
痔疾用の軟膏などで改善する場合もありますが、手術などが必要になる場合もあります。また、一見痔のように見えても、腸の中でお尻に近い部位に病気がある場合もあります。
痛みが強い場合や出血が多い場合、なかなか出血が止まらない場合には早めにご相談ください。
これはいわゆる下血というもので、急を要する状態です。出血は赤い場合もありますし、少し黒っぽいときもあります。
この状態を放置できるほどの胆力がある人はまずいないと思いますが、憩室出血などの急を要する疾患の可能性がありますので、すぐに医療機関を受診してください。
病院に行く元気が出ない場合は救急車を呼んだほうが良いかも知れません。
憩室出血とは腸にできる凹み(憩室)からの出血です。腸の筋肉には血管が通るための穴が開いていますが、これが広がってくるとと憩室となります。憩室内には血管があり、この血管が何らかの原因で傷つくと憩室出血となります。痛みがなく、多量の血液が出てきます。多量に出血する場合があり、輸血が必要になることもあります。
通常は大腸内視鏡検査を行い、止血処置を行いますが出血が多い場合には大きな病院にご紹介します。
また、ポリープをとるなどの処置を行った方は処置を行った病院にすぐご連絡ください。
赤黒い便が出てくる
腸の炎症や大腸がん、ポリープなどの腫瘍により腸から出血している可能性があります。腸炎であればお腹の痛みを伴うことも多いです。通常であれば出血量は見かけほどは多くありませんが、腸に病気がある可能性が高く、大腸の内視鏡検査を行う必要があります。
腸炎については重症度や原因を調べるために、内視鏡検査を行う必要がありますし、ポリープならばその場で切除できることもできます。切除できない大きなポリープや大腸がんの場合は専門の施設にご紹介します。
イチゴゼリーのような血と粘液が混じったような便が出ます。
こちらは腸の炎症により起こる事があり、さらにアメーバ性腸炎や潰瘍性大腸炎などの長く続く病気の可能性もあります。これらの病気がないか確認するために大腸内視鏡検査を行う必要があります。
イカ墨のように黒い便が出てきます。これも血便の一種ですが、どちらかといえば大腸などより胃や十二指腸など口に近い部分の出血を疑います。血液が消化された結果、黒くなってしまいます。黒い便が出た方は胃潰瘍や胃がんなどがないか確認するために早めに胃の内視鏡を行うことをお勧めします。また、血液検査などを行って貧血がないかどうかなどは確認する必要があります。なお、貧血の薬を飲んでいる場合には便が真っ黒になることがありますが、これは正常です。
肛門からの出血で多いのは確かに痔などの肛門からの出血なのですが、痔だと思って放置していると思わぬ病気が隠れている場合があります。
大腸がん検診で行われる便の潜血検査も便の中に含まれる少量の血液を検出する検査です。便の中に血液が混じっているというのは危険な病気が隠れているというサインなのです。
お尻から血が出てきたときは「どうせ痔だろう」と思っても一度はご相談ください。
COPYRIGHT ©2020 AKAHANE CLINIC. ALL RIGHTS RESERVED.
このページの上部へ