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赤羽根医院ブログ

お尻が痛いときはどうしたらいい?自分でどこまでできる?どこに行ったら良い?

2025.01.16

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普段生活していても、おしりが痛い!ということがたまにあるのではないでしょうか?
でも、肛門科を探してみてもらうのも恥ずかしいし、どこに行ったらいいのかもよくわからない。できればかからずに済ませたい。そう思う方の方がむしろ多いのではないでしょうか?
ここではそんな方のためにおしりの痛みなどの症状に対する対処法を紹介していきます。

まず、こんな時は肛門科を受診しよう

自分でできること、と言いながらいきなりここから始まるのはどうなのか?と思われるかもしれませんが「すぐに医者にかかるべき状態かどうかを確認する」というのは、自分でできる一番最初のことであり、色々やったけれど良くならない、という状態を避けるためにも非常に重要な事なのです。ただし、これから説明する事例はあくまで一例であり、場合によってはここに書いていないことでも医療機関を受診すべき状態のこともあります。おかしいと思ったら医療機関を受診してみてください。

1おしりから出血している、膿(うみ)が出ている

肛門の痛みの場合、多くの場合は肛門の病気となりますが、その中でも「血が出る」という状態については注意が必要です。
いわゆる痔の中でも「悪い」状態であったり、痔ではなく腸の病気(直腸がんや炎症性腸疾患など)の可能性があるためです。大腸がんの中でも、直腸がんは肛門の痛みの原因となることがあります。これらについては自分で対処しても良くならないばかりでなく、治療が遅れて取り返しのつかないことになる場合もあるので、早めの受診をおすすめします。
うみが出る状態については痔瘻という病気の可能性があり、これは放置すると、痛みが取れるのに時間がかかるうえ、結局良くならないということになりがちです。うみが出ていれば痛みは少し改善してくることもありますが、腫れ上がっている場合はかなりひどい痛みとなります。更に、肛門の深いところに膿がたまっている場合は外見上腫れていない場合もあったりします。ただし、この場合はおそらく次の項で説明する「おしりがものすごく痛い」になります。

肛門から膿が出るときには痔瘻などに注意しましょう


肛門の近くの大腸がんは肛門が痛い原因になるときもあります

2おしりが「ものすごく」痛い

痛みについては個人差はありますが、「ものすごく痛い」という場合は早めに医療機関を受診することをおすすめします。これは実際にかなり辛い状態ですので、受診を検討される方がほとんどだと思います。
疑われる病気は主に2種類で「痔瘻」という病気と裂肛(いわゆる切れ痔)という病気。もしくはその両方である「裂肛痔瘻」という病気などです。(他にも梅毒やヘルペスなどの感染症でこのような状態になる方もたまにおられます。)
痔瘻は医療機関での治療が必要な病気で、裂肛についても、痛みが強い状態であれば治療が必要な状態である可能性が高いです。

3下痢や便秘が1-2週間以上続いている、あるいは熱が出ている

下痢や便秘が続くとおしりが痛くなることが多いのですが、下痢や便秘が長期に続いている状態は病院の受診が必要な状態であると考えられます。これは大腸がんや腸の炎症の病気(炎症性腸疾患)の場合がありますので早めにお相談ください。特に注意が必要なのは、何週間か前から急に便秘になった、あるいは下痢になったという場合です。こういった場合はもともとの体質でなく、病気の症状が出たという状態の可能性がありますので早めに医療機関に相談に行くことをおすすめします。

4痛くないが出っ張ってきて困る。何週間も続いている。

これについては急いで医師に相談する必要まではありませんが、家で様子を見ていても治る見込みは低いので時間のあるときに相談することをおすすめします。
多くの場合はいぼ痔の症状であり、このようないぼ痔については薬などで治る見込みが低いです。

もちろん、これら以外でも病院を受診した方が良いようなことは多くあります。以下の記事を読んでみて、対策してみても痛みが良くならないときは肛門科を受診してみてください。

おしりが痛いときはこれを試してみよう

1自転車や長時間の座り作業を避ける

長時間にわたって座っていると肛門の付近の血の巡りが悪くなり、おしりの周りの血管がうっ血してきます。仕事柄、長時間座っていないといけないような方もいるとは思いますが、可能なら30分に1度程度は休憩して歩き回ってみてください。

2クッションを工夫してみよう

世の中には中央に穴の開いたクッションというものがあります。こういったクッションを利用することでお尻の血流を改善することができ、物理的にもおしりへの刺激を減らすことができますので、いぼ痔などの状態を良くすることが期待できます。
医療用のものもありますが、家具屋などで売っているもっと安いものもあります。医療用のもののほうが良い面もあるのですが、すごく良いというほどでもないので安いものでも十分です。

長時間自転車に乗る方にはサドルも穴が空いたものがあります。そもそも長時間自転車に乗ったりしないことが一番ではあるのですが、次善の策としてこういった穴開きのサドルを使うのも一つの手ではあります。(自転車の穴開きサドルはどちらかといえば恥骨部の圧迫を避けるものですが、肛門の部分についても一定の効果はあります)

3お風呂に入ろう

いぼ痔や切れ痔はおしりの血流が悪いことによって起こるものが多くあります。こういったいぼ痔、切れ痔についてはお風呂が有効な場合が多いです。
お風呂は肛門の筋肉の緊張を和らげ、肛門の血流を良くし、痛みを改善してくれます。ただし、炎症が激しいときには逆効果のときもあります。お風呂に入ってみて症状が悪化する場合には入浴を取りやめましょう。
また、あまり入浴が好きでない方や暑いのが嫌な方は座浴(浅いお湯で腰のあたりまでお湯に浸かることをいいます)を行うことでも同様の効果を得ることができます。

3お酒を控えてみよう

アルコール類を多く接種すると、血管が広がり、体全体がむくみやすくなります。飲み会の翌日に顔がむくんだりした方もいるのではないでしょうか。
これは顔に限った話でなく、肛門にも起こることで、酒を飲むことでいぼ痔が出血したり脱出したりしやすくなります。また、それだけでなく、お酒は飲むと下痢にもなって来ることが多いため、便の回数が増えて、更に肛門が痛くなったり出血しやすくなったりします。

4食事で便秘や下痢を避ける、辛いものを避ける

辛いというのは実際には痛覚であり、舌の粘膜への刺激を感知しているというのが辛味の正体です。鼻をつまんで辛いものを食べてみるとなんとなく痛みを感じることができるでしょう。
辛いものは舌の粘膜以外も刺激します。胃腸の粘膜や目の粘膜など、粘膜のあるところはどこでも辛味の刺激を受けるので、お腹が痛くなったり、下痢をしたりします。また粘膜はおしりにもあるので、おしりの粘膜を直接刺激し、痛みや腹痛の原因となる場合があります。

シャワートイレは良いけれど水圧や使いすぎには注意

おしりが痛いときなどには、紙で強くこすらずとも、おしりをしっかり清潔にできるウォシュレットなどのシャワートイレはとても有効ですが、使いすぎや水圧の上げ過ぎなどには注意が必要です。おしりの皮膚はとても繊細です、いろんな刺激によって傷つきます。例えば、人間の便はアルカリ性であり、肛門に長時間ついていると皮膚の炎症などを起こします。(化学性皮膚炎)かといってとにかくしっかり拭けばいいかというとそんなこともなく、今度はこすれることによって肛門の皮膚に傷がつき皮膚の炎症を起こします。「じゃあどうしたら良いんだ!」となりますが、そういった場合は温水便座の出番です。シャワートイレを軽く使い、その後優しく拭くだけで、肛門はかなりきれいになります。ただし、とにかく使えば良いかというとそんなこともなく、あまり強い力で水を当てたり拭いたりすればやはりお尻の皮膚を傷つける結果になります。
また、頻繁に温水便座を使用していると、皮脂という皮膚を保護する油が取れてきてしまい、傷つきやすくなってしまうこともあります。このシャワートイレの使いすぎによって起こる皮膚の病気を温水便座症候群と呼んだりもします。おしりがかゆい方などは温水便座を使いすぎていないか、強い水流を使いすぎていないかなど、普段の生活を振り返ってみてください。

市販の薬は受診できないときに

痔については市販薬もいくつか販売されています。ただし、薬についても現在の状態にあっているかどうかの判断は必要になります。医療機関を受診できる場合は一度受診して相談してみたほうがいい場合もあります。
市販の薬は大きく分けて飲み薬、座薬、注入軟膏、通常の軟膏があります。
飲み薬は主におしりの血行を改善したり、いぼ痔の中にできた血の塊を溶かす効果がある物が多いです。主におしりの外側が腫れているような状態のときに効果的です。
一方で、座薬や注入軟膏はおしりの炎症を改善するような薬や抗生物質、痛み止めのような成分が入っていることが多いです。特に排便後に痛みが出る場合などには有効な場合が多いです。
いずれもあまり効果がない場合には早めに医療機関にご相談ください。

色々やってみても良くならない場合は肛門科へ

これらのことを行ってもなかなか改善しない場合は医療機関に受診しましょう。他の科でもよいですが、肛門科や肛門外科を標榜しているところが良いでしょう。まれに他院で軟膏を処方されたものの改善せず、当院を受診してから肛門周囲膿瘍や大腸がんなどが発見されるケースもあります。これらの重要な病気も特に初期のうちは発見が難しい場合があり、当院でも見逃しのないように注意して診察を行っています。
また、激しい痛みがある、熱が出るなどの場合はあまり自分で治そうとせず、早めに医療機関を受診することをお勧めします。

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